せいわ法律事務所

法律コラム

2020.06.05

離婚のすすめ~第1回こんな理由で離婚できるの?~

森田 翔太郎

自粛期間どのようにお過ごしだったでしょうか。家族での時間が増えた方が多いと思います。家族との時間が増えたことによって、配偶者のこれまで知らなかった点を知り、仲を深めたご家族もいらっしゃると思います。一方で、互いの嫌な点を知ったりして、険悪になったご家族もいらっしゃったと思います。

実際、私のところにもこの自粛期間中に離婚を考えたという相談が増えています。そこで何回かに分けて離婚の基本的なお話をしていきたいと思います。

その第1回である今回は、どのような時に離婚できるかを説明します。

離婚をする場合には大きく分けて二つの方法があります。一つは夫婦間で離婚の合意をすること、もう一つは裁判所に離婚の判決をもらうことです。

ほとんどの離婚は、夫婦間で合意して、離婚届を役所に提出するという形を取っています。この場合、本人同士が離婚に合意をすればいいのでどのような理由であっても離婚することができます。価値観は人それぞれです。離婚に値するかしないかは他人が判断するのではなく、ご自身が決めるべきことでしょう。配偶者からそんなことで離婚はできないと言われたとしても、ご自身が離婚したいのであればその気持ちを突き通すべきです。

離婚の話が出た場合、当事者だけでなく親族が介入してくるケースが多いです。しかし、親族は当事者ではありませんし、当事者の気持ちはわかりません。離婚したい人の気持ちは、その人にしかわからないのです。

それでも配偶者が離婚に合意してくれなければ、直ちには離婚できません。それでも離婚したい場合には、後述しますが裁判での離婚を目指して、別居を行いましょう。配偶者に離婚が本気であることを示すことで、配偶者が離婚に合意してくれるケースがいくつもあります。合意ができなくても別居期間を重ねて、最終的には裁判で離婚ができます。

配偶者と離婚の合意ができないときは、裁判所に離婚の判決をもらうしかありません。裁判所は法律を司る機関ですので、法律に定められた理由がないと離婚を認めてくれません。裁判所が離婚を認める場合は、不貞行為があったときなど5つ存在しますが、その中でも比較的多い離婚の理由は、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」です。これは、婚姻関係が破綻していることと言い換えることができます。裁判所が、婚姻関係が破綻しているかの判断で重視しているのは、別居期間の長さになります。別居期間が3年を超えている場合には、裁判所は比較的婚姻関係が破綻していると評価するケースが多いです。もちろん、同居期間中の夫婦間の関係によって求められる別居期間に長短は生じます。

ここでの別居というのは、家庭内別居ではいけません。寝室も別、家計も別、会話もないけどダメでしょうかという方がいますが、裁判所はそれでは婚姻関係の破綻を認めてはくれません。

もちろん、不満があったら離婚しましょうというつもりはありません。離婚や別居によって生活にも様々な変化が生じます。こんな理由で離婚していいのかなと悩むのではなく、離婚や別居後の生活を想像して、どちらがより幸せかを考えてみてください。もし離婚や別居をした方が幸せだと思った場合には、相手にはっきりとその意思を伝えましょう。その気持ちを秘めたまま一緒に生活することでいいことはほとんどありません。

次回は、別居の際の準備事項等についてお話したいと思います。

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