2020.04.17
「新型コロナ対策」雇用調整助成金についてわかりやすく解説
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、4月1日~6月30日の緊急対応期間中は、受給要件が緩和され、また助成内容や対象が大幅に拡充されています。
緊急事態宣言を受けて、休業する事業主の方は、雇用調整助成金を活用して従業員の雇用維持に努めましょう。
しかし、厚生労働省のホームページを見ても、「説明が複雑で読んでもよくわからなかった…」ということもあるかもしれません。この記事では、休業を検討している事業主の皆さまに向けて、雇用調整助成金についてわかりやすく解説いたします。
1 雇用調整助成金の概要
雇用調整助成金とは、景気変動(世界的金融危機、地震、台風等によるもの)で事業活動の縮小を余儀なくされ、労働者に対して一時的に休業等(休業・教育訓練・出向)を行い、労働者の雇用を維持した場合、休業手当、賃金等の一部を助成する助成金です。
2 支給要件
以下①〜④の要件にいずれにも該当すること
①新型コロナウィルスの影響を受ける事業主
②雇用保険を適用している事業主(法人、個人事業主)
※役員だけの会社は対象外
③売上または生産量の1か月の値が、昨年の同月(1年未満の会社は令和元年12月と比較)よりも5%以上減少したこと←NEW:通常は3か月、10%の減少が必要
④仕事が少なくなってしまった影響で従業員を1日または半日、あるいは事業所における部署・部門ごとや、職種・仕事の種類、勤務体制によるまとまり等一定のまとまりで行われる短時間休業させ、休業手当を支払ったこと←NEW:通常は事業所の従業員一斉に短時間休業させなければならない
3 助成対象
雇用保険加入期間が6か月未満や被保険者でない従業員も対象=新入社員やパート従業員などを休ませても助成金の受給可能←NEW:通常は雇用保険に6か月以上加入している従業員が対象
4 助成額
①助成率は、支払った休業手当の額の中小企業が4/5、大企業が2/3で、従業員全員雇用を続ける場合は、中小企業9/10、大企業3/4にアップ。ただし、従業員1人あたりの日額は8,330円 が上限となります。←NEW:通常の助成率は、中小企業が2/3、大企業が1/2
→1万2000円×60%×9/10=6480円が受給金額となる
→100人を1か月に20日間休業させると、1296万円が支給される
②教育訓練を実施したときは、1人1日あたり2,400円(中小企業)、1,800円(大企業)が加算される←NEW:通常は1,200円
5 限度日数
助成金を受けとることができる支給限度日数は、1年100日、3年150日に加えて、緊急対応期間(2020年4月1日から6月30日まで)中の休業は、支給限度日数とは別に支給を受けることができる←NEW:通常は1年100日、3年150日が限度
6 残業相殺制度
従業員を休業させた月に時間外労働等(残業や休日労働)をさせた場合、時間外労働等の時間を助成対象となる休業等の延べ日数から控除すること(残業相殺)を当面停止←NEW:通常は、控除する
7 受給手続き
→NEW:通常は計画届は事前に提出しなければならない
8 必要書類
雇用調整助成金の特例措置に関する申請書類等については、大幅に簡素化され、申請手続きの負担が軽減されています。
9 まとめ
新型コロナウイルスの影響による業績の悪化が避けられない今、大切な会社と従業員をどう守っていくのか。新型コロナウイルスによる経済的ダメージは大きいですが、こうした助成金をうまく活用し、苦しい時を乗り越え、再び通常の営業ができるようになるまで持ちこたえましょう。
※上記の情報は4月16日時点の情報となります。最新情報について詳しくは厚生労働省のサイトをご覧ください。